『統合失調症 その③~薬物療法~』
統合失調症の治療において、精神療法やリハビリテーションといった心理社会的治療も重要ですが、主となるのは薬物療法です。
統合失調症の治療に用いられる「抗精神病薬」は、定型(従来型)と非定型(新規)にわけられます。
定型抗精神病薬は、ドパミン神経の働きを強く抑制する作用を持っています。これにより、陽性症状を改善しますが、一方で陰性症状を強めたり、認知機能障害を引き起こしたりすることがあります。また、錐体外路症状と呼ばれる運動機能障害などの副作用が現れやすいという特徴があります。
非定型抗精神病薬は、定型に比べてドパミンに対する作用が緩やかで、ドパミン以外にもセロトニンなど様々な神経に対する作用をもっています。そのため、陽性症状だけでなく陰性症状や認知機能障害にも効果が期待でき、副作用が発現しにくいことも特徴です。
抗精神病薬の他にも、抗不安薬や睡眠薬、抗うつ薬、気分安定薬を補助的に併用したり、副作用軽減のために、抗パーキンソン病薬や便秘薬などが処方されたりすることもあります。
「薬の数が多いな」と感じた時には、これらの薬が処方されている可能性もありますので、医師や薬剤師にご相談下さい。
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