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10月 薬局 「薬の用法について」

こんにちは、薬局です。

今回は『薬の用法について』です。

薬を飲むタイミングのことを“用法”といいます。用法にはそれぞれ意味があり、食事によって変化する胃の中の状態や、薬の相互作用などを考慮して決められています。

そのため、薬の効果を最大限に発揮させ、かつ安全に薬物治療を行うためには、決められた用法を守って正しく服用することが必要です。

○食後:食事の後30分以内

胃の中に食べ物があることで、薬による胃への刺激を軽減するほか、胃の血流量が増加し、腸の動きも活発になっているため、速やかに薬が吸収されます。

飲み忘れ防止を目的として「ごはんを食べたら薬を飲む」と関連付けしていることも多いため、食事の時間が不規則な方は、あらかじめ医師と相談し服用する時間を決めた方が良い場合もあります。

○食直後:食事の後5分以内

胃への負担や不快感が大きい一部の鎮痛薬やパーキンソン病治療薬は、副作用を軽減することを目的として、また脂溶性が高い脂質異常症の治療薬などは吸収をよくするために、食直後の服用となっています。消化酵素剤も、食直後の服用が効果的です。

○食前:食事の30分くらい前

胃の中が空っぽなので、食べ物の影響を受けやすい薬を飲むのに適しています。吐き気止めや食欲増進を目的とした薬は、食前に服用することで、効果が出始めた頃に食事を摂ることができます。漢方薬は、作用の穏やかな有機酸の吸収を促進し、作用の激しいアルカロイドの吸収を緩やかにするために食前に服用することが多くなっています。

○食直前:食事の5~10分前

糖尿病治療薬のうち、食後過血糖を改善する2つのグループの薬が、食直前の服用となっています。

<αグルコシダーゼ阻害薬>

食べ物に含まれる糖質(炭水化物)は消化管内の分解酵素で徐々に分解され、最終的に単糖(ブドウ糖)となってから吸収されます。この薬は分解酵素を阻害することで食後の血糖上昇を抑えるため、食べ物より先に消化管内に入っている必要があります。飲み忘れた場合、食事中であればすぐに服用してください。食後では効果が期待できないので、服用は避けましょう。

<速効型インスリン分泌促進薬>

名前の通り、膵臓に作用しインスリンの分泌を促すことで、血糖値を下げる働きがあり、その効果の発現が非常に早く、持続時間が短いことが特徴です。早く飲んでも遅く飲んでも低血糖になるおそれがあるため、必ず食べる直前に服用してください。

その他にも、抗生剤や検査薬が時間を指定して処方されたり、朝起きてすぐに飲む薬、熱がある時や眠れない時など症状がある時だけ飲む薬(頓服薬)が処方されたりすることもあります。

飲み方がバラバラで服薬管理が難しい場合には、飲み方ごとに1回分ずつ袋に入れること(一包化)もできますので、ぜひ薬剤師にご相談ください。

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