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1月 心理室からのお知らせ


心理室を覗いてみよう(9) ~認知機能検査(知)について③~

前回は、認知機能の概要について触れました。具体的には、認知機能は『情報処理を司る脳内コンピューター』というイメージを持ってもらえるよう説明をさせて頂きました。今回は、いくつかある機能・能力の内の1つをピックアップして説明させて頂きたいと思います。

今回取上げる機能・能力は『注意機能』です。『注意機能』と聞いて、みなさんどのようなイメージをお持ちになるでしょうか?日常生活の中でも、「注意散漫で落ち着かない」「不注意から事故やトラブルが生じる」といったように『注意』という言葉はよく使われますし、既知のこととしてわかりきったことのようにも映ります。しかし、これを科学的に眺めると、一言で『注意』といってもかなり複雑。明確な分類は困難とされますが、以下等のような下位分類があります。

①選択的注意:複数の情報の中から、不必要なものを遮断し、必要なものに集中する能力 ②持続性注意:課題に取組んでいる間、その取組みを持続させる能力 ③分配性注意:複数の課題を同時並行的に上手く切り盛りする能力 ④転導性注意:固執・執着しないように注意の対象を切り替える能力 など

如何でしょうか?なんだか小難しくなってしまいましたが、要は『注意機能』とは、意識・覚醒 度と並んで、『情報処理を司る脳内コンピューター』の土台となる機能となります。そのため、『注意機能』だけでも重要な役割を果たすのですが、その他の能力・機能の安定稼動を支える重要な役割も果たしています。注意の焦点が定まらなければ頭は整理がつかずにパニックになってしまうでしょうし、注意が続かなければ1つの課題を最後まで遂行することが出来ません。注意を上手く振り分けられないと“ながら作業”のような柔軟な対応は出来ませんし、注意を切り替えられないといつまでも同じことに囚われて続けることになってしまいます。

今回はここまで。1つの能力・機能をとっても、科学的に眺めるとなんだか複雑でわかりづらくなってしまうところはありますが、とにかく『注意機能』は『情報処理を司る脳内コンピューター』の安定稼動を支える土台である、とインプットしておいて下さい。次回は、事例を挙げながら、もう少し『注意機能』についてイメージアップを出来たらと思います。それでは、また次回お会いしましょう。

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