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薬局 「第一世代と第二世代の抗うつ薬」

こんにちは。薬局です。

今月は抗うつ薬の中で、第一世代と第二世代の抗うつ薬についてご紹介します。

抗うつ薬の歴史は1951年、結核治療薬に抗うつ作用がみつかったことから始まりますが、その後いくつか開発された薬は重篤な肝障害が発生し、発売中止となっています。一方、違う領域の薬剤の開発中に、抗精神病薬のクロルプロマジンに似た構造のイミプラミンに抗うつ効果があることが発見され、我が国では最初の抗うつ剤として1959年に発売されます。

うつ病は、神経のシナプス間にセロトニンやノルアドレナリン等の神経伝達物質が減少することで発症すると考えられています。元祖抗うつ薬であるイミプラミン以降、この仮説をもとにシナプス間のセロトニン、ノルアドレナリンの濃度を高めるための薬が開発されています。

イミプラミン(商品名 イミドール)は、今でも第一線で活躍している薬です。その後、イミプラミン同じように3つの環をもつ構造の薬剤が開発され、これらは三環系抗うつ薬と呼ばれるようになります。イミプラミンのほか、クロミプラミン(商品名 アナフラニール)、アミトリプチリン(商品名 トリプタノール)、アモキサピン(商品名 アモキサン)等が三環系抗うつ薬に分類されます。

クロミプラミンは、抗うつ薬で唯一、注射製剤があり、経口投与が困難な際に使用されています。また、アモキサピンはイミプラミン等の初期の三環系に比べて、即効性があり、セロトニンよりもノルアドレナリンの濃度を増やす作用が強いので、三環系でありながら第二世代の抗うつ薬に含まれています。その他、うつ病の他に遺尿症(おもらし)や末梢性神経障害性疼痛の保険適用があることも、三環系抗うつ薬の特徴です。

第一世代の三環系はセロトニンの濃度を高める作用が強く、不安や焦燥を抑える一方でセロトニン以外の神経伝達物質にも作用することから、口の渇きや便秘、心循環系の副作用が発現しました。これらの副作用を少なくすることを目的に四環構造の薬剤が開発されます。ミアンセリン(商品名 テトラミド)は四環系の代表的な薬剤で、口の渇きや便秘の副作用は少ない反面、眠気の副作用があらわれるため、寝る前に服用されることが多い薬です。

トラゾドンは三環系でも四環系でもありませんが、第二世代の抗うつ薬に含まれています。四環系同様眠気が強く、米国では、依存が問題となる睡眠薬のかわりに不眠症治療に使われています。

1990年代に入るとSSRI,SNRIと呼ばれているさらに副作用を少なくした薬剤が登場し、現在は病状や生活スタイルにあわせた抗うつ薬を選択しやすくなっています。

次回は第三世代、第四世代の抗うつ薬をご紹介します。